◎攻撃を受けたのは市中心部にあるバルセロナ・クリニック病院。同院によると、緊急性のない手術150件が中止となり、約3000人の患者が影響を受けたという。
サイバー攻撃のイメージ(Getty Images)

スペイン当局は6日、北東部カタルーニャ自治州バルセロナの医療機関がサイバー攻撃を受けたと発表した。

攻撃を受けたのは市中心部にあるバルセロナ・クリニック病院。同院によると、緊急性のない手術150件が中止となり、約3000人の患者が影響を受けたという。

同院の研究施設、緊急治療室、薬局のシステムがランサムウェアによるサイバー攻撃で停止し、外部にある関係施設も被害を受けた。

同院の院長は記者会見で「システム復旧の見通しは立っていない」と述べた。

また院長は緊急対応規則に基づき、関係機関と協力してシステム復旧に当たるとした。

カタルーニャ自治政府は6日、同州のサイバーセキュリティ部門がシステム復旧に取り組んでいると声明を出した。

同州政府によると、国外で活動する「ランサム・ハウス(Ransom House)」と呼ばれるグループが攻撃に関与したという。

同州政府の報道官は声明で、「ハッカーは今のところ身代金を要求していない」と述べている。

同院の広報担当によると、すべての業務を紙ベースで続け、急を要する患者は市内の別の医療機関に搬送されるという。

スペイン国営テレビは関係者の話を引用し、「この攻撃で患者の記録を閲覧できなくなり、処方箋の発行などに膨大な時間がかかっている」と報じた。

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