◎2020年に施行された国家安全維持法は反体制派のデモを禁じており、女性やLGBTQ+(性的少数者)の権利拡充を求める集会の開催も難しくなった。
香港の民主化団体は5日、国家警察が市内で予定していた集会を直前で阻止したと発表した。
社会民主連盟(社民連)によると、警察は3日に活動家3人を尋問し、女性労働者協会が5日に計画していた集会に参加しないよう警告したという。
社民連は声明で、「国家警察による脅迫と妨害行為に憤慨している」と述べ、5日のデモも中止されたと明らかにした。
AP通信によると、国家警察の報道官は活動家が尋問を受けたという社民連の主張について、「法律に基づいて対処している」と答えたという。
女性労働者協会による集会は国家警察が公式に承認した3年ぶりの大規模な公民権デモになる予定だった。香港政府はコロナウイルスの感染拡大によるマスク義務を解除し、大規模イベントも実施できるようになった。
ゼロコロナ期間中、市内で民間の集会が行われたことはほとんどなかった。
また2020年に施行された国家安全維持法は反体制派のデモを禁じており、女性やLGBTQ+(性的少数者)の権利拡充を求める集会の開催も難しくなった。
女性労働者協会は4日、フェイスブックに声明を投稿。「男女平等を訴える行進の中止を決めた」と発表した。
AP通信によると、同協会は国家警察から行進を中止するよう通知を受けたという。
同協会の責任者はAPに対し、「国家警察は近いうちにデモを許可すると信じている」と語った。
中国本土では全国人民代表大会(全人代)が開幕し、各地で警備が強化されている。
同協会の責任者によると、いくつかの暴力的なグループがデモ行進に参加することを望んでいたという。
国家警察は集会の承認を取り消し、5日に予定会場周辺で集会や行進を行った者は国家安全維持法に基づき拘束される恐れがあると警告した。