◎200人以上を乗せたとみられる木造船は先週、クロトーネの沖合で沈没した。
2023年2月27日/イタリア、南部カラブリア州クロトーネの体育館、亡命希望者の遺体を納めた棺(ロイター通信)

イタリアの警察当局は28日、南部カラブリア州クロトーネの移民船沈没事故に関与したとされる3人を逮捕したと発表した。

報道によると、逮捕されたのはトルコ人とパキスタン人2人。

200人以上を乗せたとみられる木造船は先週、クロトーネの沖合で沈没した。当局によると、これまでに新生児を含む64人の死亡を確認。死者は100人を超えると予想されている。

亡命希望者はアフガン、パキスタン、ソマリア、シリア、イラン、イラクの移民とされる。

当局は最終的な死者数が100人を超える可能性があると警告し、捜索活動を続けている。

沿岸警備隊は28日朝、男性の遺体を収容した。

国営イタリア放送協会(RAI)によると、逮捕された3人は悪天候にもかかわらず、トルコ西部イズミルで移民を木造船に押し込み、出港したとされる。

警察は3人の身元と認否を明らかにしていない。

当局によると、亡命希望者たちは1人あたり約8000ユーロを支払ったという。

定員オーバーの木造船は26日、クロトーネ沖で難破、沈没した。

沿岸警備隊は海岸に自力でたどり着いた人を含め、80人の生存を確認した。乗船者数は200人以上とされるが、正確な数は不明だ。

収容された遺体はクロトーネの体育館に移された。若い犠牲者は小さな白い棺、成人は茶色の棺に納められ、花束が供えられた。

これまでに新生児を含む児童12人の死亡が確認されている。

RAIによると、現地には犠牲者の親族が到着し、遺体の確認を進めているという。

パキスタン政府は船に乗り込んだ自国民のうち16人の生存を確認し、4人が行方不明と発表している。

中東、アフリカ、アジアの紛争地域などから逃れた多くの移民がトルコ西岸や北アフリカから頼りないボートに乗り、イタリアやギリシャへの入国を試みている。

国連によると、2014年以降、地中海中部で死亡または行方不明になった移民は確認できているだけで2万人を超えるという。

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