◎観光業界はベネチア観光の目玉であるボートによる周遊ができなくなり、困惑を表明している。
イタリアを代表する観光地ベネチアのいくつかの水路が「事実上」干上がってしまった。
環境保護団体は怒りを、ベネチアの船乗りは悲しみを、観光業界は困惑を表明している。
専門家によると、イタリア全土で「干潮」の時間が長期化し、水位の異常低下が報告されているという。イタリア放送協会(RAI)は専門家の話を引用し、「全土に好天をもたらしている高気圧が影響している」と報じた。
水の都ベネチアの運河は道路の役目も果たしている。一部の水路が干上がった結果、物資の輸送に影響が出ているようだ。
またRAIによると、救急搬送を行う船も目的地から遠く離れた場所に停泊せざるを得なくなり、医療スタッフが担架で患者を運んでいるという。
観光業界はベネチア観光の目玉であるボートによる周遊ができなくなり、困惑を表明している。
環境保護団体We Are Here Veniceは「真冬の高気圧と月の周期が重なり、干潮時に超低水位になっている」と指摘した。
また同団体は「運河網の清掃が遅々として進まないことも混乱に拍車をかけている」と政府を非難した。「水路の底にたまった泥を取り除いておけば、ここまで被害は拡大しなかったでしょう...」
市内の主要運河は航行を継続している。
専門家によると、今年のアルプスの雪解けは平年より少なく、さらに好天の影響で雨も少ないため、北部の湖や河川でも水位が低下しているという。
同国最大の湖で人気観光地のガルダ湖では小島に徒歩で移動できるようになり、観光客を喜ばせている。