◎イスラエルとイランは長年にわたり影の戦争を繰り広げてきた。
イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)首相は19日、アラビア海で今月初めに報告された石油タンカーへの空爆について、イラン政府が関与していると非難した。
ネタニヤフ氏は閣議の冒頭、「我々はイランの侵略行為に対処する取り組みを推進する」と語った。
またネタニヤフ氏は「イラン軍は先週、アラビア海の石油タンカーを攻撃し、国際航路の往来と航行の自由を侵害した」と述べた。
リビリア船籍の石油タンカーは先週、オマーン沿岸から550kmほどのアラビア海で未知の物体(ドローンとみられる)の攻撃を受けた。
タンカーを所有するギリシャの企業によると、損傷は軽微で、乗組員にケガはなかった。
この企業はイスラエルの起業家が設立した英ロンドンに本社を置く運航企業ゾディアック・マリタイムの関係会社である。
イラン政府はこの攻撃に関する声明を出していない。
イスラエルとイランは長年にわたり影の戦争を繰り広げてきた。イランは核開発計画を標的とした一連の妨害攻撃や暗殺の背後にイスラエルが関与していると非難している。
イランと西側諸国の対立も混乱に拍車をかけている。欧米は高濃度ウランの濃縮やロシアに自爆ドローンを供与した問題でイラン指導部に制裁を科してきた。
イラン政府は国防省施設に対する先月の無人機攻撃にイスラエルが関与していると主張している。
一方、イスラエルと米国は昨年11月、イランがオマーン沖の石油タンカーにドローン攻撃を仕掛けたと非難した。