◎ゲッケ氏は先週11日に行われた舞台初演の幕間に事件を起こし、停職処分となっていた。
独ハノーバーの州立劇場は16日、舞踊批評家の顔に犬の糞を塗り付けた著名なバレエ監督との契約を打ち切ると発表した。
ゲッケ(Marco Goecke)氏は先週11日に行われた舞台初演の幕間に事件を起こし、停職処分となっていた。
顔面に糞を塗り付けられた女性批評家のフスター(Wiebke Huester)氏は警察に被害届を提出。ゲッケ氏は暴行と中傷の疑いで捜査を受けている。
ドイツ通信社(dpa)によると、ゲッケ氏はフスター氏がオランダのハーグで上演された舞台を酷評したことに不満を感じ、劇場内で犯行に及んだという。
ハノーバー劇場はゲッケ氏に謝罪の機会を与え、その後ゲッケ氏は謝罪声明を発表。自分の行動を容認できないとしながらも、2つの初演が重なり、精神的に疲弊していた影響で「勢いに任せて行動してしまった」と釈明した。
またゲッケ氏はフスター氏がしばしば意地悪な批評を書くことを改めて批判した。「爆発してしまったことはお詫びしますが、少なくともこうなってしまった理由については一定の理解をお願いします...」
一部のメディアもフスター氏が「意地の悪いレビューをしている」と批判。ある日刊紙は「彼女はドイツのバレエ文化全体にダメージを与えている」と報じた。
しかし、ゲッケ氏の淡白な謝罪も批判を集め、ハノーバー市長は「報道の自由に対する攻撃はあってはならない」と断じた。
ハノーバー劇場は声明の中で、「ゲッケ氏との合意の元、契約を直ちに解除した」と述べている。