◎ドイツは東西ドイツ時代からトルコを含む中東各国の労働者を受け入れてきた。
ドイツ政府は11日、トルコ・シリア地震で被災した市民を対象に、ビザの発給要件を一部緩和すると発表した。
対象はドイツ国内に家族や親族がいる被災者。
フェーザー(Nancy Faeser)内務・国家相は11日遅くにツイッターを更新。「国内で生活するトルコとシリアの家族が被災地から近親者を連れてこれるようにしたい」と投稿した。
またフェーザー氏は、「被害者は3カ月ビザで国内の家族と一緒に避難所を探したり、治療を受けることができる」と述べた。
ただし、ビザ発給に必要な要件がすべて緩和されるわけではない。申請者は有効なパスポートを提示しなければならず、倒壊した建物から着の身着のまま逃れた被災者の障害になりそうだ。
ドイツは東西ドイツ時代からトルコを含む中東各国の労働者を受け入れてきた。最近ではシリア内戦から逃れた難民数十万人を受け入れている。
ドイツに住むトルコとシリアの移民は現地に送る支援物資を集め、寄付を募り、母国の親族を心配している。被災地から近親者を受け入れるよう求める声は数日前から高まっていた。
フェーザー氏はビザ要件を迅速に緩和すると約束し、「外務省もトルコのスタッフを増員し、ビザ受付センターの体制を強化した」と明らかにした。
ドイツ通信社(dpa)によると、ドイツへの避難を希望する被災者がこの3カ月ビザを申請するためには、ドイツ国内に市民権または永住権を持つ近親者がいることを証明する必要がある。
また被災者を受け入れる家族は、被災者の生活費とその後の出国費用を負担することを約束する宣言書に署名しなければならない。