◎ゴールデン・ドーンはネオナチを起源とする極右政党。党首は禁固13年の刑に服している。
ギリシャ議会は9日、極右政党ゴールデン・ドーン(黄金の夜明け)に関する法案を圧倒的賛成多数で可決し、今年4月に予定されている総選挙への候補擁立を禁じた。
ゴールデン・ドーンはネオナチを起源とする極右政党。党首は禁固13年の刑に服している。
アテネ地裁は2020年、移民や政府支持者に対する暴力キャンペーンを行ったとして、ゴールデン・ドーンを犯罪組織に指定。この結果、党首を含む幹部数人が収監された。
政府報道官は9日、国営テレビの取材に対し、「政府の決定は適切であり、国会の承認も得ている」と語った。「ミツォタキス(Kyriakos Mitsotakis)首相は実刑判決を受けた指導者が率いる組織の候補擁立を禁じるべきという国民の要求に応えました...」
議会選は今年4月に予定されている。最新の世論調査によると、ミツォタキス氏の与党・新民主主義党(ND)が優勢だが、単独過半数は厳しい情勢。
地元メディアは連立交渉が難航し、再選挙もあり得ると予想している。
一方、ゴールデン・ドーンは議席獲得に必要な投票率(しきい値)3%を超えると予想されていた。
同党は9日、法案を「投票権の侵害」と非難し、選挙当日に独自の「非公式投票箱」を設置と宣言した。
同党は財政危機の間に行われた議会選を経て、2012~2019年の間、議席を維持した。
ギリシャ共産党はゴールデン・ドーン追放法案について、反政権派を弾圧したり、その他の政治活動に悪用される恐れがあるとして、強く反対した。
一部の右派政党も反対したが、その他の大多数は賛成票を投じた。