◎観光業はコロナの感染拡大で大打撃を受け、失業率を30%超に押し上げた。停電は苦境に拍車をかけている。
2023年1月20日/南アフリカ、ヨハネスブルグ郊外(Getty-Images)

南アフリカラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は9日、国会でエネルギー危機について説明する予定だ。

野党は国営電力会社エスコム(Eskom)で蔓延する汚職を糾弾し、「持続不可能な計画停電」の責任はラマポーザ政権にあると非難している。

南アフリカはアフリカ大陸で最も発展した経済大国のひとつだが、停電と高失業率に悩まされている。

エレコムの経営陣は設備の改修を急ぐとしているものの、野党は社内に蔓延する汚職と腐敗が発電所の改修を遅らせ、職員のやる気を削いできたと非難している。

食料・燃料価格の高騰も人口の9割以上を占める低中所得者層の生活を圧迫している。

地元メディアによると、ヨハネスブルグを含む多くの都市で停電、断水、公共賃貸住宅の不足などに抗議するデモが広がっているという。

観光業はコロナの感染拡大で大打撃を受け、失業率を30%超に押し上げた。停電は苦境に拍車をかけている。

政府報道官は9日、ケープタウンで今週開催された会議の議事録を引用し、「計画停電は経済に深刻な打撃を与え、1日当たりの損失額は5600万ドル以上にのぼる」と述べた。「1日最大8時間におよぶ計画停電は市民生活、工場、企業に計り知れない損害を与えています...」

南アは国内で消費する電力の8割を石炭でまかなっている。ケープタウン近郊にある築40年の原子力発電所は来年廃止手続きを開始する予定だが、一部のアナリストは運用期間の延長を提案している。

最大野党・民主同盟の報道官は9日、「ラマポーザ大統領の演説に期待しておらず、彼が何を言っても、この現実は変わらない」と批判した。「ラマポーザ政権による過去5年の失策が招いた致命的なブラックアウトが演説で回復するとは到底思えません...」

左派政党はラマポーザ氏の演説を妨害すると脅している。

ラマポーザ氏はマブザ(David Mabuza)副大統領の辞任(事実上の解任)でも圧力に直面している。

2021年10月21日/南アフリカ南部の石炭火力発電所(Getty Images)
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