◎一部の専門家はミャンマー軍政が核兵器の取得を目指していると指摘している。
ミャンマーの軍事政権は7日、ロシア国営原子力企業との連携を強化し、原発建設に向けた取り組みをスタートさせた。
ミャンマー国営放送(MRTV)は軍政のフライン(Min Aung Hlaing)司令官がロシア国営原子力企業ロスアトムのトップと会談したと報じている。
国営英字紙ミャンマーの新しい灯によると、両者は6日、最大都市ヤンゴンに新しくオープンした原子力技術情報センターで会談を行ったという。
この施設は国営電力会社がロスアトムの支援を受け建設したと伝えられている。
軍政は2015年に締結したロスアトムとの協定に基づき、原発の建設・運営を希望している。双方は昨年7月にモスクワで覚書に署名した。
ミャンマーの新しい灯はフライン氏の発言を引用し、「ミャンマーはロスアトムのおかげで原発の建設および運営準備に着手し、各部門に必要な専門家も配置できるだろう」と報じている。
また同紙は「双方は健康・農業分野における原子力の有効活用と、原子力の平和利用について率直に意見交換した」と報じた。
一部の専門家はミャンマー軍政が核兵器の取得を目指していると指摘している。
10年前には北朝鮮がミャンマーの核開発を支援しているという疑惑が浮上したが、それを裏付ける証拠は見つかっていない。
ロシアはミャンマー軍政と友好関係を維持している。フライン氏率いる反乱軍は2021年2月にアウンサンスーチー(Aung San Suu Kyi)氏らを追放した。
軍政に反対する抗議デモは紛争に発展し、一部の国連専門家はミャンマーの現状を「内戦状態」と評価している。一連の弾圧で殺害された民間人は確認できているだけで3000人近くに達した。
欧米各国は軍政に経済制裁を科す一方、ロシアは軍政に戦闘機などの兵器を供給している。
ロシアはベトナム、インドネシア、フィリピンなど、東南アジアの国々と原子力に関する協力を結んでいる。