◎コンゴ東部では反政府勢力「3月23日運動(M23)」が攻勢を強めている。
東アフリカ共同体(EAC)は4日、コンゴ民主共和国東部で緊張が高まっていることを受け、全ての紛争当事者に即時停戦を要求した。
EACはサミット後に発表したコミュニケの中で、加盟国に対し、コンゴ東部地域に増援部隊をただちに送るよう指示した。
またEACは加盟国の国防相に1週間以内に緊急会合を開き、対話と緊張緩和に向けた取り組みを進めるよう命じた。
コミュニケによると、サミットに出席したコンゴとルワンダの両首脳は互いの取り組みを称賛したという。
コンゴ東部では反政府勢力「3月23日運動(M23)」が攻勢を強めている。
M23はルワンダとウガンダの支援を受けていたコンゴのツチ族武装集団の元戦闘員で構成される武装勢力で、2009年3月に締結された和平協定により、コンゴ軍に編入された。
しかし、M23の戦闘員はコンゴ軍に編入された後もルワンダ国境付近で活動を続け、2013年の紛争に敗れるとルワンダやウガンダに逃亡。昨年11月頃から活動を活発化させ、北キブ州の複数の集落を占領した。
コンゴ政府、米国、国連の専門家はルワンダ政府がM23を支援していると指摘しているが、ルワンダはこの主張を否定している。
1994年のルワンダ大虐殺で告発されているフツ族の住民数千人がコンゴ東部に逃げ込んで以来、両国の関係は緊張状態にある。
M23はコンゴに逃げ込んだフツ族の掃討を目指しているとみられる。
一部のアナリストはこの緊張が1990年代後半から2000年代初頭まで続いた紛争のような事態に発展する可能性があると恐れている。アフリカ大戦と呼ばれるコンゴ紛争の犠牲者は600万人以上と推定されているが、正確な死者数は不明である。
ルワンダ軍は先月、コンゴの軍用機が領空を侵犯したと主張。警戒を強めている。
国連はルワンダ政府がM23を支援、あるいは別の反乱軍の作戦を支援した証拠があると主張している。米仏独政府もルワンダに対し、M23への支援を停止するよう要請した。
バチカンのフランシスコ教皇(Pope Francis)も緊張が高まっていることに深刻な懸念を表明し、先月末にコンゴの首都キンサシャを訪問した。
教皇は戦闘が続いている東部の北キブ州も視察する予定だったが、治安の悪化を受け、訪問を取りやめた。
昨年11月のコンゴ・ルワンダ首脳会議ではM23の完全撤退を求める共同声明が採択された。M23は1月15日までに北キブ州から戦闘員を撤退させると声明を出したが、戦闘が収まる気配はみられない。