◎オブラドール氏は2018年の就任以来、高い支持率を維持している。
メキシコのオブラドール(Andres Manuel Lopez Obrador)大統領は2日、2024年9月の任期満了をもって政界から引退すると発表した。
オブラドール氏は与党「国家再生運動(MORENA)」の裏方に回り、権力に固辞し続けるのではないかという憶測が広がっていた。
しかし、オブラドール氏は2日の定例記者会見で、「政治家と交わることも、政治について話すことも、政治のイベントに参加することもない」と言明した。
オブラドール氏は以前、「南部の牧場で本を書く」と述べていたが、2日の発表はより具体的なものとなった。
オブラドール氏は「私は完全に引退するつもりだ」と語った。「もう二度と公の場に出ることはありません。誰のアドバイザーにもなりません。政治家とは一切関係を持ちません。政治の話をするつもりもありません」
メキシコの大統領はこの数十年、任期後半で支持率を大きく落とし、信用を失って退任してきた。
しかし、オブラドール氏は2018年の就任以来、高い支持率を維持している。最新の世論調査によると、昨年末時点の支持率は約60%。
オブラドール氏は新興左派政党を率い、人口の大多数を占める低中所得者層から支持を集めてきた。専門家は2~3時間におよぶ毎日の定例記者会見が支持率維持に貢献しているとみている。
さらに、オブラドール氏の左派政党MORENAは全国32州のうち20で州知事を擁している。