◎事故は首都圏の地下鉄3号線の駅と駅の間で発生。列車が別の列車に追突し、1人が死亡、50人以上が負傷した。
メキシコの検察当局は28日、首都メキシコシティで今月7日に発生した地下鉄事故について、設備のメンテ不足と速度超過が原因と発表した。
市当局は破壊工作を疑ったが、SNSユーザーたちは「メンテ不足ではないか」と投稿していた。
事故は首都圏の地下鉄3号線の駅と駅の間で発生。列車が別の列車に追突し、1人が死亡、50人以上が負傷した。
検察庁の報道官は声明で、「地下鉄の制御システムにつながるケーブルの損傷を確認し、妨害行為の可能性も視野に入れ捜査を進めている」と説明した。
また報道官は「事故を起こした列車の運転士は業務業過失致死傷で起訴される見通し」と明らかにした。報道官によると、この運転士は制限速度を守らなかった可能性が高いという。
報道官は地下鉄駅構内で列車が連結されていない状態で運行を開始しかけた問題について、「何者かが重大事故を引き起こすことを狙っていた可能性があり、捜査を進めている」と説明した。この未連結事故は今月15日に確認された。
地下鉄事故はオブラドール(Andrés Manuel López Obrador)大統領の後継者と目されているシェインバウム(Claudia Sheinbaum)メキシコシティ市長の悩みの種になっている。
2021年5月の高架崩落事故では26人が死亡、100人近くが負傷した。調査の結果、高架の崩落は建設過程における不具合が原因であることが分かり、元職員10人が業務上過失致死傷罪などで起訴された。
シェインバウム氏はオブラドール氏と同様、政権奪取を狙う右派が意図的に事故を引き起こしていると主張している。
1月7日の事故後、オブラドール氏は州兵に地下鉄ホームを巡回するよう命じた。
メキシコシティの地下鉄の路線長は226.5km。195の駅を有し、1日あたりの利用者は約460万人。運賃は世界で最も安いとされ、切符は一律約5メキシコペソ(35円)である。