◎タリバンによる女性のNGO就労禁止令は危機を劇的に悪化させる可能性がある。
2023年1月18日/アフガニスタン、北東部バダフシャン州の集落、水を運ぶ子供たち(Omer Abrar/AFP通信/Getty Images)

アフガニスタン当局は18日、北東部地域などを襲った寒波により、少なくとも70人が死亡、家畜数万頭が死んだと明らかにした。

タリバンの災害管理省によると、1週間ほど前から広い範囲で気温が低下し、中央部のある集落ではマイナス33度を記録したという。

タリバンのムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官はツイッターに声明を投稿。「いくつかの州で厳しい寒さにより多くの国民が命を落としたと聞き、悲しみに暮れている」と述べた。

タリバンは昨年末、国内で人道支援活動に当たっているNGOから女性職員を排除した。

これにより、少なくとも5つの国際NGOがアフガンでの活動を停止。国際協力NGOケア・インターナショナル、ノルウェー難民協議会(NRC)、セーブ・ザ・チルドレンは「女性職員なしで活動を続けることはできない」と声明を出した。

国際援助団体「国際救済委員会(IRC)」もサービスを停止し、「タリバンのシャリア(イスラム法)はほとんどのNGOの活動を禁じる」と断じた。

タリバンの災害管理省は18日、過去1週間で市民少なくとも70人が死亡、家畜推定7万頭が死んだと発表した。

また同省は「近年で最も厳しい冬になる」と述べ、少なくとも1週間以上は厳しい寒さが続くという見方を示した。

ムジャヒド報道官は犠牲者に哀悼の意を表し、「政府はできる限りの支援を提供する」と約束した。

またムジャヒド氏は「関係機関は被災者をできる限り助け、これ以上犠牲者を増やさないための措置を取っている」と主張した。

ソーシャルメディアで共有された写真には、大雪で道路が封鎖されたり、車が立ち往生しているところが写っていた。

2021年8月に政権を奪取したタリバンは2度目の冬を迎えている。国連によると、アフガンの人口約3800万人の半数以上が緊急の食料支援を必要としている。

タリバンによる女性のNGO就労禁止令は危機を劇的に悪化させる可能性がある。

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