◎今回の運用開始により、ドイツ国内で稼働するLNG基地は2つとなった。
ドイツのショルツ(Olaf Scholz)首相は14日、LNG(液化天然ガス)ターミナルの運用開始を記念する式典に出席し、建設工事に携わった関係者の労をねぎらった。
政府はロシア依存から脱却する取り組みのひとつとして、LNGの輸入を加速させ、基地建設を急いでいる。
今回の運用開始により、ドイツ国内で稼働するLNG基地は2つとなった。
1つ目の基地は北西部ヴィルヘルムスハーフェンの港に建設され、先月運用を開始したばかりである。
ショルツ氏は北東部メクレンブルク・フォアポンメルン州で行われた落成式に出席し、基地を視察した。
ドイツ通信社(dpa)によると、今後数カ月でさらに多くの基地が稼働する予定。
ショルツ氏は祝辞の中で、「我々はこの冬を乗り切ることができる」と語った。「ガス供給はまったく損なわれず、多くの市民が恐れていたガス不足は発生せず、皆さんの努力のおかげで我が国の燃料は100%の状態を維持しています」
またショルツ氏は政府の支援策、エネルギー確保の取り組み、世界のガス市場の低迷に言及し、「ロシアが望んだ経済危機は実現しなかった」と指摘した。
ショルツ氏は関係者の労をねぎらい、北部沿岸の町ブルンスビュッテルで建設が進む第3のLNG基地にガスを供給する浮体式LNG貯蔵再ガス化設備(FSRU)が来週到着する予定と明らかにした。
ドイツ政府はロシアがウクライナに侵攻してから数日後にLNG基地の建設を決めた。
dpaはエネルギー規制当局者の話を引用し、「第2ターミナルが運用を開始したことで、この冬、ガスが不足する可能性はますます低くなった」と報じている。
ドイツを含む欧州諸国では暖冬の影響でガスの消費量が激減している。この影響で欧州のガス取引価格はウクライナ侵攻以前の水準を下回り、世界の取引価格を押し下げた。
ロシアは昨年6月、ドイツのエネルギーを枯渇させるために天然ガスパイプライン「ノルドストリーム1」の供給量を大幅に減らした。ロシア国営ガスプロム社は昨年8月以降、ドイツにガスを供給していない。