◎アフガンでは2021年8月の政変以来、IS-K(イスラム国ホラサン)によるテロ攻撃が相次いでいる。
アフガニスタン当局は11日、首都カブールの外務省前でイスラム国(ISIS)の戦闘員が自爆し、多数の民間人が死傷したと発表した。
タリバンによると、犠牲者は20人にのぼる可能性があるという。
ISIS系組織のひとつであるIS-K(イスラム国ホラサン)が犯行声明を出した。
アフガンでは2021年8月の政変以来、IS-Kによるテロ攻撃が相次いでいる。この組織はシーア派の少数民族だけでなくタリバンの戦闘員にも攻撃を仕掛けている。
外務省の近くには中国やトルコなどの大使館もあり、不安が広がっている。
タリバンによると、攻撃は11日の現地時間16時頃に行われた。IS-Kの戦闘員とみられる男は庁舎内に侵入を試みたものの失敗し、入り口付近で自爆したという。
AFP通信の取材に応じた男性は、「男が自爆するところを見た」と語った。
この男性によると、男はバッグを持ち、ライフルを肩に掛けた治安当局者が近くを通過した数秒後に自爆したという。
外務省の建屋本体に大きな被害は出ず、入り口の窓ガラスが割れたと報告されている。
しかし、地元のNGOなどは「タリバン当局者を含む40人以上が死傷し、犠牲者の数は20人を超える可能性がある」と報告した。
カブール警察は攻撃を非難し、関与した組織に責任を取らせると声明を発表した。
IS-Kを支持するウェブサイトはテレグラムに犯行声明を投稿。この攻撃で少なくとも20人が死亡し、死者の中には外交官数人が含まれると主張した。
タリバンはこの主張に関する声明を出していないが、一部メディアはカブールの役人が攻撃に巻き込まれたと報じている。
AFPはタリバン当局者の話を引用し、「中国の代表団が外務省の建物内でタリバン当局者と会談する予定であった」と報じた。
しかし、タリバンのムジャヒド(Zabihullah Mujahid)報道官はSNSに「攻撃時、庁舎内に外国人はいなかった」と投稿。IS-Kの主張を否定した。
ISISはこの数カ月、外国人や外国企業も標的としている。
カブールの中国系ホテルで先月12日に発生した攻撃ではIS-Kの戦闘員とみられるテロリスト3人が死亡、窓から飛び降りた宿泊客少なくとも2人が負傷した。
カブールの軍用空港検問所付近で元旦に発生した爆弾攻撃では数人が死傷。この攻撃から4日後、タリバンはカブールと南西部ニムロズ州のISIS拠点を急襲し、戦闘員8人を殺害、9人を逮捕した。