◎イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設した。
ヨルダン川西岸地区、パレスチナ人とイスラエル軍の兵士(Getty Images)

パレスチナ当局は11日、ヨルダン川西岸地区でイスラエル軍と衝突したパレスチナ人2人が死亡したと発表した。

1人は同地区北部で、もう1人は南部の入植地でイスラエルの民間人を刺し、負傷させた後に射殺された。

パレスチナ保健省によると、2つの事件は11日未明に発生したという。

イスラエル軍は11日、ナブルスにある難民キャンプを襲撃し、21歳の男性を射殺したと認めた。

イスラエル軍は声明で、「難民キャンプのパレスチナ人武装勢力が治安部隊に発砲したため、応戦した」と説明している。

パレスチナ当局によると、イスラエル軍はキャンプ内のある民家を取り囲み、実弾、催涙ガス、スタングレネードを使用したという。

地元メディアによると、この男性は前与党ファタハの武装部門「アルアクサ殉教者旅団」の戦闘員とみられる。

男性はSNSにライフルを掲げる写真を投稿していた。

南部の入植地では30歳のパレスチナ人がイスラエル人を刺し、別の通行人に射殺されたと伝えられている。

イスラエル当局によると、攻撃を受けたイスラエル人は中程度の傷で入院し、意識はハッキリしているという。

パレスチナ当局は通行人に射殺された男性を南部の入植地の住民と特定した。この地域ではイスラエル人約50万人がパレスチナ人約250万人と共に生活している。

イスラエル軍は昨年3月、国内でイスラエル人19人がパレスチナ人に相次いで殺害されたことを受け、ヨルダン川西岸に対する取り締まりを強化した。

人権団体によると、ヨルダン川西岸と東エルサレムで昨年イスラエルの治安部隊によって殺害されたパレスチナ人は少なくとも146人に上ったという。

イスラエル軍は殺害したパレスチナ人の大半は武装勢力と主張している。しかし、占領に抗議して石を投げた若者や取材中のジャーナリストも犠牲になった。

イスラエルはこの取り締まりで過激派を一掃したいと考えている。一方、パレスチナ自治政府はこの取り締まりについて、国際法で禁じられている入植を確固たるものにする取り組みと非難している。

イスラエルは1967年の第三次中東戦争でヨルダン川西岸などを占領し、130以上の入植地を建設した。

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