◎メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、2006年頃から本格化した麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。
メキシコ当局は9日、南部ゲレロ州のリゾート地アカプルコの集落で成人男性5人のバラバラ遺体が見つかったと発表した。
検察によると、遺体は切り刻まれ、黒いビニール袋に入れられた状態で放置されていたという。身元は明らかにされていない。
現場は市中心部の北方に位置する集落。
アカプルコはメキシコを代表する人気観光地のひとつだったものの、数年前から麻薬カルテルとギャング関連の抗争が続発し、観光業が壊滅的な被害を受けた。
州警察は同日、アカプルコの別の町で男性2人が殺害されたと報告した。地元メディアによると、複数のギャングが街の支配権をめぐり、各地で銃撃戦を繰り広げているという。
一部のギャングは麻薬組織「シナロアカルテル(Sinaloa Cartel)」とつながりのある武装集団と伝えられているが、詳細は不明である。
地元メディアによると、この町には重武装した自警団が配備され、ライバルギャングの構成員は「切り刻んで捨てる」という慣習が存在するという。
2019年には自警団のガスボンベ爆弾で死亡したギャング構成員のバラバラ遺体が道端に放置されていた。
州警察は首都メキシコシティとアカプルコを結ぶ幹線道路で強盗(未遂含む)が多発していることを受け、市民に夜間の通行を控えるよう呼びかけている。
メキシコはシリアやアフガニスタンなどの紛争地を除いて、世界で最も危険な国のひとつとされ、2006年頃から本格化した麻薬戦争の犠牲者は35万~40万人と推定されている。