◎共産党は今月初め、3年近く維持してきた規制を緩和した。
2022年12月31日/中国の習近平 国家主席(Getty Images)

中国の習近平(Xi Jinping)国家主席は31日、国民に宛てたビデオ演説で、同国のコロナ対策は新たな段階に入ったと述べ、国民にさらなる努力と結束を呼びかけた。

習氏は3週間前にゼロコロナ政策を見直して以来、コロナ関連のコメントを出していなかった。

習氏は演説の中で、「闘争は終わっておらず、誰もが忍耐強く、懸命に働いており、夜明けはその先にある」と語った。「もっと頑張ろう。継続は勝利、団結は勝利を意味します」

共産党は今月初め、3年近く維持してきた規制を緩和した。

しかし、急な方針転換や高齢者のワクチン接種低迷などの影響で新規陽性と死者数が急増。米国、日本、イギリス、フランスなどが中国からの入国者に制限をかける事態に発展した。

共産党は外国人入国者に義務付けていた検疫を来年1月8日に終了する。同時にパスポート申請も再開する予定だ。習氏は前例のない抗議デモを受け、方針転換を余儀なくされた。

習氏は演説の中で、中国はコロナとの前例のない闘いにおいて、困難と課題を克服できると語った。

また習氏は、「流行が始まって以来、政府高官と国民、医療関係者、多くの労働者が苦難を乗り越え、勇敢に耐えてきた」と述べた。「中国は常に平和と発展を堅持し、正しい側に立つのです」

西側のアナリストは共産党の政策変更について、「政府高官も前例のない感染の波に混乱している」と指摘している。

AP通信は香港の医療専門家の話を引用し、「共産党は必要な準備を行わずに規制を緩和してしまった」と語った。

大晦日の夜、中国版ツイッターのWeiboではゼロコロナ政策の撤回と感染爆発に関するコメントが多数寄せられた。

SNSユーザーの大半は政策の廃止を歓迎する一方、批判的な意見も寄せられている。

数千人の反政権派ユーザーは、ゼロコロナ政策がもたらした隔離、検疫、強制検査などをまとめた動画が検閲されたことを非難した。

この動画は地元の独立系ニュースサイトが作ったもので、共産党の検閲に引っかかり、閲覧できなくなった。

当局はデータの公表を中止しているため、毎日の新規および死者数は不明である。しかし、病院や火葬場の混雑状況を見る限り、新規数千人、死者数人でないことは確かだ。

30日の全国の公式死者数はわずか1人だった。

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