◎国際社会は29日に発足した新連立政権に超国家主義政党が含まれていることに深刻な懸念を表明している。
米国のバイデン(Joe Biden)大統領は29日、イスラエルのネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)新首相と協力することを楽しみにしていると表明した。
国際社会は29日に発足した新連立政権に超国家主義政党が含まれていることに深刻な懸念を表明している。
バイデン氏は声明の中でネタニヤフ氏を「数十年来の友人」と呼び、「イスラエル政府と協力してイランの脅威を含む中東の課題に共同で取り組む」と述べた。
またバイデン氏はイスラエルとの関係について、「イスラエル人とパレスチナ人の関係を含む問題に取り組み、より希望に満ちたビジョンを示してきた」と語った。
バイデン政権はイスラエルに対する批判を口にしない一方、湾岸諸国の同盟国に対する米国のサポートを「鉄壁」と呼んでいる。
ネタニヤフ政権はヨルダン川西岸地区における入植地開発計画を最優先課題と公言しているが、バイデン氏はその話題には触れなかった。
パレスチナの権利団体は国際法で禁じられている入植が数十年に渡って淡々と進められ、パレスチナ国家の樹立を不可能にしていると糾弾している。
バイデン氏は「米国は2国家解決策を支持し続け、その実行可能性を危険にさらす、あるいは我々の相互利益・価値に反する政策に反対していく」と述べた。
一方、ネタニヤフ氏は超国家主義政党「宗教シオニズム」と「ユダヤの家」の党首を最重要ポストに任命した。
反パレスチナのスモトリッチ(Betzalel Smotrich)党首は財務相、反パレスチナ・反ゲイのベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)党首は安全保障政策に欠かせない警察を取りまとめる治安相を務める。
親イスラエル、親和平を自称するユダヤ系アメリカ人団体Jストリートは29日の声明で、「ヨルダン川西岸と東エルサレムは放火魔の管理下に置かれている」と主張した。「入植計画を推し進めてください!」
米国は当初、人種差別とテロ組織を支援した罪で有罪判決を受けたベン・グヴィル氏の閣僚就任に懸念を示していた。
米国務省のプライス(Ned Price)報道官は先月、「すべてのイスラエル政府関係者が市民社会、特に少数派の人々に対する寛容さと敬意を含む、開かれた民主主義社会の価値を共有し続けることを望む」と発言していた。
しかし、プライス氏は数週間後、「イスラエル政府を個人の人格ではなく、政策に基づいて判断する」と述べ、よりユダヤ人寄りの姿勢を示した。
プライス氏は今月初めの記者会見で、「イスラエルとの関係は揺るぎないものであり、両国の共通の価値観に基づいている」と述べた。
米・アラブ反差別委員会は29日、バイデン氏の声明を厳しく非難した。「バイデン大統領の声明はいかなる現実にも基づいておらず、イスラエルの新政府が世界中のパレスチナ人およびアラブ人にとって脅威である危険な宗教的過激派で構成されているという事実を完全に無視しています」