◎東部、中部、南部地域ではクリスマスの大雨で洪水が発生し、10万人近くが避難を余儀なくされた。
2022年12月26日/フィリピン、南部ミサミスオクシデンタル州の集落、女性を運ぶ救助隊(Philippine Coast Guard)

フィリピン当局は28日、東部や南部などの広い範囲で発生した洪水について、これまでに29人の死亡を確認し、少なくとも25人が行方不明と報告した。

東部、中部、南部地域ではクリスマスの大雨で洪水が発生し、10万人近くが避難を余儀なくされた。

政府の災害対策本部によると、亡くなった29人のうち18人は南部ミンダナオ島の北部地域で確認されたという。

救助隊がSNSで共有した動画には、南部ミサミスオクシデンタル州の救助の様子が映っている。

救助隊は冠水した道路を進み、孤立した集落の高齢者を救助した。

同州内の一部地域では成人の胸の高さまで冠水したと報告されている。

災害対策本部は声明で、「行方不明者の捜索を続けており、中部地方で被害が拡大しているようだ」と述べた。被害の全容は明らかになっておらず、軍と救助隊が調査を進めている。

地元メディアによると、死者の大半は溺死したとみられる。

被害を受けた家屋は3200戸を超え、南部の一部地域では道路や橋が流されたようだ。さらに、広い範囲で停電と断水が発生している。

気象当局は上空で暖かい空気と冷たい空気がぶつかり、大雨をもたらす低気圧が発生したと報告している。

当局によると、29日の午後までは広い範囲で中程度の雨が続き、南部では大雨になる可能性があるという。

大統領府は28日の声明で、「人命を最優先し、被災地に必要な支援を速やかに届ける」と約束した。

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