◎スペインの消費者物価指数(CPI)とエネルギー価格はこの数カ月で大幅に低下したが、それでも多くの低中所得者層が2020年のコロナ流行以来続く経済危機に苦しめられている。
スペイン政府は27日、ロシアのウクライナ侵攻に端を発する経済危機に対処する取り組みとして、パンや牛乳などの食品にかけている付加価値税を廃止する計画を発表した。
サンチェス(Pedro Sánchez)首相は1年を総括する記者会見でこの計画を公表し、食用油とパスタの付加価値税は10%から5%に引き下げるとした。魚や肉類は対象外。
サンチェス氏は今回の計画を含む2月の開戦以降に可決された3つの支援予算について、合わせて約450億ユーロと見積もっていると説明した。
またサンチェス氏は新計画について、「生活費、エネルギー費、食費の上昇を考慮し、中産階級と労働者階級を保護することを目的としている」と述べた。
スペインの消費者物価指数(CPI)とエネルギー価格はこの数カ月で大幅に低下したが、それでも多くの低中所得者層が2020年のコロナ流行以来続く経済危機に苦しめられている。
サンチェス氏は電気にかかる税金を現在の10%から5%に半年間引き下げ、年収2万7000ユーロ以下の市民に現金200ユーロを一括支給する予定だ。
またサンチェス氏はコロナの流行時に施行した貧困層に対する立ち退き勧告を禁じる措置を半年延長するとした。
さらに、来年末まで短い区間の電車料金を無料にする措置も維持されることとなり、これに都市間を結ぶ中距離バスも追加されることが決まった。
トラック運転手に対する燃料割引も維持される。
新計画は1月1日からスタートする。