◎人々を乗せた木造船は25日未明に海岸に流れ着いた。
インドネシア当局は25日、スマトラ島北部アチェ州の海岸でロヒンギャ難民58人を保護したと発表した。
地元警察によると、人々を乗せた木造船は25日未明に海岸に流れ着いたという。船を発見した地元住民が警察に通報した。
アチェ州政府の担当者は記者団に対し、「入国管理局の指示を待っている」と語った。地元住民は人々に食料と水を提供し、地元の保健所は健康状態をチェックした。
当局によると、3人が保健所で治療を受けているという。
国連は23日、アンダマン海でロヒンギャ難民とみられる人々を乗せたボートが救助を求めていると国際社会に呼びかけていた。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)はこの海域で活動する援助団体の情報を引用し、「人々は食料も水もない状態で1カ月以上海をさまよっている」と指摘。その多くは女性と子供で、航海中に最大20人が死亡した可能性があると説明した。
アチェ州当局によると、25日に救助した船とUNHCRが救助を求めた船が一緒かどうかは分からないという。
UNHCRは「190人」が助けを求めていると報告していた。
2017年のミャンマー軍による弾圧で殺害されたロヒンギャは1万3000人と推定され、少なくとも200の村が焼き払われ、100万人以上が国外に逃亡した。
バングラデシュのコックスバザール地区には89万人以上のロヒンギャが避難しており、世界最大の難民キャンプを形成している。
さらに、タイに約9万2千人、インドに2万1千人、マレーシアにも10万人のロヒンギャが避難し、ミャンマー国内にとどまっている避難民は57万6000人と推定されている。
マレーシアはイスラム教徒が多数派を占めるイスラム国家であり、生活基盤を築きやすいという理由でロヒンギャ難民の主要な目的になっている。
今回保護された難民がどこを目指していたかは不明だ。
一方、インドネシアは国連で1951年に採択された「難民の地位に関する条約」に加盟していないが、UNHCRによると、2016年の大統領令で難民の扱いに関する規定が定められて以来、多くのロヒンギャを受けているという。
アチェ州では先月にも女性と子供を含むロヒンギャ難民219人が保護されている。