◎イスラエル領内のアラブ人コミュニティではこの数カ月、イスラエル軍・警察に対する攻撃が続いている。
イスラエル警察は23日、中部の町で警察官3人を車ではね負傷させたアラブ人を射殺した。
警察によると、現場は中部のヨルダン川西岸地区国境近くの町。容疑者は警察官を待ち伏せし、車でひき殺そうとしたという。
イスラエル領内のアラブ人コミュニティではこの数カ月、イスラエル軍・警察に対する攻撃が続いている。
警察の報道官によると、容疑者はこの地域に住む22歳のアラブ人男性だという。
この男性の叔父はAP通信の取材に対し、「甥は暴力やテロを嫌悪していた」と述べ、警察の声明に疑問を呈した。「警察はなぜ22歳の若者を射殺したのですか?」
警察によると、男は暴力事件が発生したと通報し、警察官をおびき寄せ、攻撃を仕掛けたという。警察は現場のものと思われる監視カメラ映像を公開している。銃のようなものを持った男が自宅を飛び出し、どこかに走り去るところが映っていた。
別の監視カメラ映像には通りを猛スピードで逆走する車が映っている。警察によると、男の運転する車は警察官が聞き込みを行っていた現場近くの車に突っ込み、警察官3人が負傷したという。
別の警察官が車に発砲。男はその場で射殺された。
警察によると、男は自動小銃、ナイフ、催涙ガスを所持していた。単独犯か否かは捜査中だという。
パレスチナ人武装勢力はイスラエルの民間人や治安要員を狙った数十件の攻撃で告発されている。しかし、イスラエル領内に住むパレスチナ人がこのような攻撃に関与することは少ない。
ネタニヤフ(Benjamin Netanyahu)次期首相はまもなくイスラエル史上最も右寄りや連立政権を発足させる予定だ。
警察を取りまとめる治安相に就任予定のベン・グヴィル(Itamar Ben Gvir)党首は23日、現場で対応に当たった警察官を英雄と称賛した。
ベン・グヴィル氏は極右の超国家主義政党「ユダヤの家」を率いる差別主義者である。