◎シリアには米兵約900人が駐留しており、SDFを含むクルド人主導の部隊を支援している。
米中央軍司令部は20日、シリア東部で対イスラム国(ISIS)作戦を決行し、工作員6人を拘束したと発表した。
軍報道官によると、作戦は48時間以内に3回行われ、拘束した1人はシリアのテロ活動に深く関与するISIS幹部のひとりだという。
イギリスに本拠を置くNGO「シリア人権監視団」は声明で、「特殊部隊の作戦3回のうち1回はハサケ州で行われ、クルド人主導の民兵組織シリア民主軍(SDF)も関与している」と報告した。
また同監視団によると、拘束された6人のうち4人はISISとつながりのあるチュルク語系民族の武器商人だという。
1回の襲撃でSDFの兵士とみられる2人が負傷したと報告されている。
中央軍司令部は声明の中で、「ISIS工作員を捕らえることで、この地域を不安定化させるテロ組織の計画実行能力はさらに低下するだろう」と述べている。
シリアには米兵約900人が駐留しており、SDFを含むクルド人主導の部隊を支援している。
クルド人はシリア北部に拠点を置き、ISIS掃討作戦で主要な役割を果てしてきた。
米軍は19日、シリア東部でISISイデオロギーを拡散する工作員を拘束したと明らかにした。
シリア内戦の犠牲者は40万人近くに達し、国土の大部分は廃墟と化した。国連によると、人口の半数以上が避難民となり、数百万人がトルコなどの近隣諸国に逃亡したという。
ロシアの支援を受けるアサド(Bashar al-Assad)大統領は領土の大部分を奪還したが、北部の一部はトルコおよびクルド人武装勢力の支配下に置かれている。