◎シムチク氏と職員1人は15日、爆発で軽傷を負った。
ポーランド国家警察のシムチク(Jaroslaw Szymczyk)長官は17日、本部建屋内でウクライナから受け取った贈り物が爆発し負傷した事件について、使用済みグレネードランチャーが爆発したと明らかにした。
シムチク氏と職員1人は15日、爆発で軽傷を負った。
ポーランド内務省は2人が負傷したことを公表したものの、贈り物の詳細は明らかにしていなかった。シムチク氏は今月11~12日にウクライナを訪問し、警察庁や非常事態庁の幹部と会談していた。
シムチク氏は地元ラジオ局のインタビューで、「ウクライナからプレゼントとして使用済みグレネードランチャーを受け取った」と語った。
シムチク氏によると、グレネードランチャーを動かした際、突然爆発し、衝撃で床に穴が開いたという。
地元メディアによると、内務省は取材に応じず、グレネードランチャーがどのように爆発したかは不明。
専門家は「榴弾がランチャー内で爆発もしくは何らかのはずみで射出されたと考えられるが、ウクライナが弾を装填した状態でそれを長官に渡すとは考えられない」と指摘している。
ウクライナ政府はこの事件に関する公式声明を出していない
ポーランドのラジオ局RMFは政府筋の話を引用し、「2つのグレネードランチャーはウクライナ側からの珍しい戦争ギフトになる予定だった」と報じている。
RMFによると、ウクライナは2つのランチャーに爆発物が含まれていないことを確認し、ポーランドもそれを確認したので国境を越えて持ち帰ることができたという。ランチャーのひとつはラウドスピーカーに改造されていたようだ。
ポーランドはEU加盟国の中で最も強くウクライナを支持し、2月の侵攻開始以来、軍事・人道支援を含むさまざまな支援をウクライナに提供してきた。
ポーランドの野党議員はシムチク氏を厳しく批判している。
SNSユーザーもシムチク氏の行動に疑問を呈し、あるツイッターユーザーは「グレネードランチャーを嬉々として持ち帰った男は事務所で自爆したようだ」と投稿している。
シェモニャク(Tomasz Siemoniak)元国防相は17日、ツイッターに「弁解の余地なし」と投稿。シムチク氏を批判した。「このような事態を引き起こした責任者の首は飛ぶはずです。彼は警察を率いるべきでありません」
ポーランドの元外相であるシコルスキ(Radoslaw Sikorski)欧州議会議員もツイッターに、「ポーランド警察は司令官のおかげでダーウィン賞の候補になった」と投稿している。