◎一部のアナリストはボルソナロ氏の支持者が連邦議会占拠を企てているのではないかと疑っている。
ブラジル連邦警察は15日、ボルソナロ(Jair Bolsonaro)大統領の支持者が引き起こした抗議デモに関連する数十の令状を発行した。
警察は声明で、「最高裁判事の命に基づき、暴動に関与した者を捜査する」と述べている。
最高裁は「81件の令状に基づく捜査が進んでいる」と声明を出し、7州と連邦管区(首都ブラジリア)の個人が対象と明らかにした。
ボルソナロ氏は10月末の大統領選決選投票に敗れたものの、敗北を認めていない。その支持者は各地で小規模なデモを続けている。
地元メディアによると、家宅捜索により、これまでにライフルやサブマシンガンなど少なくとも15丁の銃と弾薬が押収されたという。
一部のアナリストはボルソナロ氏の支持者が連邦議会占拠を企てているのではないかと疑っている。
デモ隊はダシルバ(Luiz Inacio Lula da Silva)氏の勝利を認めず、全国のおよそ1000の道路を封鎖し、警察と衝突した。封鎖の大半は解消している。
連邦警察は声明の中で、「サンタカタリナ州の高速道路封鎖に関与したデモ隊は手製爆弾、花火、釘、石、タイヤでバリケードを設置するなど、テロリストの手法を用いた」と述べている。
連邦警察は11月末の声明で、「デモの大半は夜間に行われ、極めて暴力的な一部の暴徒が実行した」と指摘していた。
高速警察は選挙後1カ月間で56人を逮捕している。12月第1週の逮捕者はゼロだった。
ボルソナロ氏は敗北以来、ほとんど公の場に姿を見せていない。しかし先週、大統領府周辺に集まった支持者の前で久しぶりに演説すると、「自分は軍の最高司令官であり、より良い未来を築くために努力すべきだと思う」と語った。
支持者は今もいくつかの軍施設前に陣取り、軍に介入するよう懇願している。ほとんどのデモは平和的に行われているが、筋金入りの支持者が当局を悩ませているようだ。
ブラジリアでは12日、ボルソナロ氏の支持者が車両やバスに放火し、機動隊に石を投げつけた。当局によると、負傷者は出なかったという。
政府報道官は地元メディアのインタビューや地元紙のコラムで、「デモ隊は強くあるべきだ」と述べる一方、暴力行為は許されないと批判している。
ダシルバ政権で法務大臣を務める予定のディノ(Flávio Dino)氏は15日、ツイッターに声明を投稿。「反民主的な行為、暴力は表現の自由に該当しない」と述べ、暴動に関与した者を非難した。