◎サンチェス首相は働く保護者の有給休暇をより充実させたいと考えている。
スペイン政府は13日、子育てと仕事を両立できるようにする新たな法案を公表した。
政府報道官によると、サンチェス(Pedro Sanchez)首相は働く保護者の有給休暇をより充実させたいと考えているという。
政府が成立を目指す通称「家族法」は少子高齢化の解消を目指すと同時に、働く母親と父親が抱える問題を念頭に置き、有給休暇や夏休みを取りやすくすることなどを目指すとしている。
報道官は声明で、「子育てと仕事を両立する全ての保護者がスーパーヒーローのように働いているが、政府は普通に働けば誰でも普通に生活できる国にしたいと考えている」と述べた。
法案が変更されることなく国会で可決されれば、近親者が入院した場合の有給休暇は現在の年2日から5日に引き上げられる。
また、親が家族に関する不測の事態に対処する有給休暇(年最大4日)も認められる。
さらに、親は子供が8歳になるまでは、毎年最大8週間の無給休暇を取得できる。政府報道官によると、このシステムは夏休み中に子供を世話しなければならない保護者のために盛り込んだという。取るか否かは保護者次第だ。
EUの統計機関ユーロスタットによると、スペインの2020年の人口1000人当たりの出生数は7.1人で、EU加盟国の中でイタリアに次いで低かった。
なお、2019年の40歳以上の出産数は全数の約10%を占め、27カ国の中で最も高かった。
この法案は2人以上の子供を持つひとり親世帯にも、3人以上の子供を持つ家庭と同じ教育や交通機関の割引などの特典を与えるとしている。
地元メディアによると、法案は国会審議の過程で修正される可能性が高いという。