◎同国で流行しているエボラウイルスはスーダン株と呼ばれ、ワクチンは開発されていない。
ウガンダ政府は8日、エボラ出血熱のワクチン開発に使用される臨床試験用ワクチンを受け取った。
地元メディアによると、保健省と世界保健機関(WHO)の関係者が首都カンパラで行われた受領式に出席したという。
エボラはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。感染者の血液、臓器、体液に直接触れることで感染する。
エボラはザイール(コンゴ民主共和国)で1976年に初めて確認され、急速に拡大。このウイルスに感染し死亡した人は約1万5000人と推定されている。
この1週間新たなエボラ感染者は報告されておらず、感染拡大は収まったように見えるが、保健省は慎重な姿勢を維持している。
WHOは42日間連続で新規感染者が報告されなかった場合、流行の終息を宣言する。
アセン(Jane Ruth Aceng)保健相は記者会見で、「新規感染者は9日連続で報告されていないが、準備を怠らず、新たな波を想定して準備を進めることが大切だ」と語った。
同国で流行しているウイルスはスーダン株と呼ばれ、ワクチンは開発されていない。
スーダン株の感染力はザイール株に比べると弱く、死亡率も低いとされるが、感染を抑えにくいと懸念されている。
政府とWHOは臨床試験用ワクチンを3種類使用する予定だ。8日に受領したワクチンは米国で開発されたものである。
WHOによると、臨床試験用ワクチンは感染リスクの高い人々に投与されるという。
2つ目の候補はイギリスのオックスフォード大学とワクチン研究機関が開発したもの。3つ目の候補は国際エイズワクチン推進構想(IAVI)などが開発したものだ。
保健省によると、9月末の感染報告以来、56人の死亡が確認されている。累計感染者は142人。このうち86人が回復した。