◎クルド人女性のアミニさんが首都テヘランで道徳警察に殴り殺された事件は発生から2カ月半を迎えた。
2022年11月26日/イラン、首都テヘラン、最高指導者のハメネイ師(Office of the Iranian Supreme Leader)

イランの最高指導者ハメネイ(Ali Khamenei)師は26日、反政権派のデモを弾圧する治安部隊を称賛し、米国とイスラエルを非難した。

ハメネイ師は準軍事組織のひとつである「バシジ」の集会に出席し、戦闘員たちを称賛した。

ハメネイ師は演説の中でデモ隊を「米国の傭兵」と呼び、取り締まりの強化は避けられないと主張した。「バシジは覇権主義国家の傭兵と戦っているのです!」

またハメネイ氏はバシジの軍事的・社会的貢献を称え、「多くの聖戦士が己の命を犠牲にして米国の傭兵から国民を守った」と語った。

さらに、イスラエルがデモを主催していると主張し、宿敵を倒すまで戦いは終わらないと強調した。「あの悪魔軍団を倒すまで、我々の戦いは終わらないのです!」

ライシ(Ebrahim Raisi)大統領は米国を「大悪魔」と呼んでいる。

クルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんが首都テヘランで道徳警察に殴り殺された事件は発生から2カ月半を迎えた。

アミニさんは9月13日、テヘランを訪問中にヒジャブ(スカーフ)を適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴られ、パトカーに頭を叩きつけられ、車内で暴行を受け、昏睡状態に陥り、3日後に死亡した。

バシジは各地で続くデモの取り締まりを主導しており、銃火器を使用して市民を殺害している。

26日にソーシャルメディアで共有された動画には、テヘランやその他の都市の大学で行われたデモが映っていた。

治安部隊の弾圧が続いている影響で、デモはより散発的になっている。一部の活動家はストライキで対抗するよう呼びかけているが、実現するかどうかは不明である。

国営イラン通信(IRNA)によると、ライシ氏も25日にバシジの集会に出席し、戦闘員を絶賛したという。

ノルウェーに拠点を置く人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)によると、治安部隊の攻撃でこれまでに民間人少なくとも448人が殺害され、数万人が負傷し、約1万8000人以上が拘束された。政府は死者数と逮捕者数を公表していない。

地元の複数の独立系メディアは26日、眼科医140人が共同提出した書簡を引用し、「取り締まりが強化された結果、片目または両目を失うデモ参加者が急増している」と報じた。その多くがゴム弾で顔を撃たれたという。

眼科医たちは関係機関に書簡を提出し、懸念を伝えたとみられる。前回提出した書簡には眼科医200人以上が署名していた。

イラン、首都テヘラン、道徳警察の暴力に抗議するデモ(Getty-Images)
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