◎タリバンの報道官は今週、シャリア(イスラム法)を遵守すると誓った。
アフガニスタンを統治するタリバンは20日、北東部タハール州で市民19人が姦通、窃盗、家出の罪でむち打ちの刑に処されたと発表した。
昨年8月に政権を奪取したタリバンの強硬派は差別的な取り締まりを推進している。
タリバンがむち打ち刑の執行を公に認めたのは昨年8月以来初めてとみられる。
1990年代後半に崩壊した旧タリバン政権は公開処刑、石打ち、むち打ちを当たり前のように行っていた。これらはすべてシャリア(イスラム法)に基づいている。
タリバンは昨年、女性の権利を尊重すると西側諸国に約束したが、中等学校から女子児童を排除し、女性の就職を厳しく制限し、公共の場でのブルカ(全身を覆うイスラム教のヴェール)着用を強制している。
今月初めには女性の公園とジムの利用も禁じられた。
タリバンの報道官は今週、シャリアを遵守すると誓った。
AP通信は最高裁関係者の話を引用し、「タハール州で11月11日にむち打ち刑が執行され、男性10人と女性9人がそれぞれ39回ずつむちで打たれた」と報じている。
19人は市内のモスクで長老、学者、住民の立ち合いの下、むちで打たれたという。
19人の身元は明らかにされておらず、裁判がどのように行われたかも不明。家出の罪に問われたのは女性とみられる。タリバンは女性ひとりでの外出を禁じている。
国連は女性差別や非人道的な処罰がアフガンの孤立と経済危機をますます深めると懸念している。
タリバンは統治に苦労し、国際的に孤立し、深刻な経済危機に直面している。国連によると、市民数百万人が食料と水をまともに確保できず、人道機関の援助に頼り切っている