◎スペインの物価(主に燃料と食料)もドイツやイギリスほどではないが確実に上昇している。
スペインの首都マドリードで3日、賃上げを求める抗議デモが行われ、数千人が参加した。
デモを主催した労働組合「労働総同盟(UGT)」と「スペイン労働者委員会(CCOO)」は「賃上げか紛争か」というスローガンを掲げ、組合員に声を上げるよう呼びかけた。
両労組は政府と経団連が結んでいる現在の最低月給1000ユーロ(約14万4000円)の引き上げを求めている。
デモに参加した男性はAP通信の取材に対し、「現在の給与はインフレを考慮しておらず、生活必需品を購入することすら難しくなっている」と語った。
スペインの物価(主に燃料と食料)もドイツやイギリスほどではないが確実に上昇している。
スペイン以外の国でも燃料と食料価格の高騰に抗議するデモが続いている。欧州の中央銀行はインフレを抑えるために金利を引きあげ、住宅ローンを抱える人々に圧力をかけている。
カトリックの国際慈善団体カリタスは3日に公表したレポートで、「スペインの世帯の3割が尊厳ある生活を維持することに苦労している」と報告した。
一方、スペインの経団連であるCEOEの会長は3日、「インフレ率を考慮しない賃上げはあり得る」という見方を示した。
スペイン国営RTVEテレビはCEOE会長の話を引用し、「昇給を否定するわけではないが、インフレ率を考慮した昇給に応じることはできない」と報じている。