◎リストに追加された625人は公職に就くことや政治活動などを禁じられる。
ベラルーシ当局は28日、反政権派の活動家など625人をブラックリストに追加し、弾圧を強化した。
人権団体「ビアスナ人権センター」などによると、リストに追加された625人は公職に就くことや政治活動などを禁じられるという。
内務省は2020年8月の反政府デモに参加した野党議員、実業家、ジャーナリスト、活動家など、合わせて625人をリストに追加すると発表した。同省によると、これでリストに登録された個人は1469人になったという。
独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領は2020年の選挙で票の80%を獲得したと主張したが、野党と反対派はこれを認めず、数十万人規模の反政府デモを決行した。
ビアスナ人権センターによると、治安部隊は市民3万5000人以上を逮捕し、数千人を残酷に殴打したという。投獄された夫の代わりに選挙に立候補したチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏はリトアニアへの亡命を余儀なくされた。
同センターは28日、ブラックリストの拡大について、「ルカシェンコは反政権派を過激派と結び付け、弾圧を正当化している」と非難した。
また同センターは、「ベラルーシでは恣意的な逮捕と拷問が続き、野党には圧力がかかり、反政権派はひとり残らず過激派に指定される」と説明した。
さらに、ロシアのウクライナ侵攻に反対した市民も攻撃を受けているとした。
内務省のブラックリストに追加された個人の中には、ロシアと戦うウクライナ軍を支援するベラルーシ人志願兵も含まれる。
リストアップされた個人はベラルーシ国内での公職、教育、出版活動、兵役を禁じられ、「過激派の情報(ロシアの侵攻を批判する報道など)」を拡散したと認められた者は刑事責任を問われる。
地元の独立系メディアの編集長やジャーナリストもリストに追加された。
ベラルーシのメディアで働き投獄されたことのあるジャーナリストはSNSに、「ルカシェンコはロシアが敗れることを想定し、今のうちに反対派を弱体化させようとしている」と投稿している。