◎避難者の多くが自宅や農地を失い、高台などで野宿しているとみられる。
国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は28日、アフリカ大陸の西部と中部で進行中の大規模な洪水により、340万人以上が避難を余儀なくされていると報告した。
UNHCRによると、被害が深刻なのはナイジェリアで、数百人が死亡、推定130万人がどこかに避難し、300万人近くが何かしらの影響を受けたという。被害の全容は不明。
避難者の多くが自宅や農地を失い、高台などで野宿しているとみられる。
UNHCRによると、国内外の難民キャンプに避難できた人はある程度支援を受けられるが、野宿している人に支援を届けるのは難しいという。
ナイジェリアの難民キャンプには暴力から逃れた人々も避難しているため、ひどく混雑しているようだ。
UNHCRの報道官はSNSに、「気候危機は生活を破壊し、食料安全保障を混乱させ、希少資源をめぐる紛争を悪化させ、難民の数を激増させている」と投稿している。
また報道官は洪水で100万人以上が被災したと推定されているチャドにも言及した。チャド政府は非常事態を宣言している。
また西アフリカのマリ、ニジェール、ブルキナファソでも洪水で数百人が死亡し、数千人が避難を余儀なくされた。この3カ国ではイスラム過激派が猛威を振るっている。
西アフリカの洪水は過去40年で最悪と呼ばれる東アフリカの干ばつとは対照的である。
報道によると、ナイジェリアの治水インフラは全くと言っていいほど整っておらず、毎年洪水が発生している。