◎当局はデモの情報拡散を抑えるためにインターネット通信を制限した。
スーダンで25日、1年前の軍事クーデターと軍事政権に抗議するデモが行われ、数千人が通りを行進した。
同国は2019年4月の無血クーデターで独裁者のオマル・バシル (Omar al-Bashir)を追放し、民主化への道を歩み始めていたが、昨年10月25日の軍事クーデターでこの計画が頓挫して以来、機能不全に陥っている。
軍事クーデターを主導したブルハン(Abdel Fattah al-Burhan)将軍はより良いスーダンを築くと国民に約束したが、その後の抗議デモ、ダルフール地方の紛争、自然災害に全く対処できず、国連や人道機関などの支援に頼り切っている。
ソーシャルメディアで共有された動画には、国旗や太鼓を持った抗議者たちが首都ハルツームの大統領府に向かって行進するところが映っていた。
デモ隊は大統領府前に陣取った治安部隊に向かって「革命は続く」「軍事政権は去れ」などと叫んだ。
港湾都市ポートスーダンのデモに参加したという男性はツイッターに、「国連の支援を受けているにもかかわらずクーデターを起こし、丸1年何の進展もみられなかった国はスーダンぐらいだ」と投稿し、軍事政権を非難した。
別のツイッターユーザーは、「スーダン国民の決意は固く、私たちは文民統制を確立すると誓っている」と投稿している。
軍事政権はクーデター以来、デモを厳しく取り締まってきた。2019年の無血クーデターを主導した人権団体「スーダン医師中央委員会」によると、確認できているだけで118人ものデモ参加者が治安部隊に殺害されたという。
デモはハルツーム近郊のワド・マダニ、東部のゲダレフとポートスーダン、その他多くの町で行われたと伝えられている。
世界各国のネット接続状況を監視する英団体ネットブロックスによると、当局はデモの情報拡散を抑えるためにインターネット通信を制限したという。