◎軍当局は「反政権派のゲリラが市民を攻撃した」と非難声明を発表した。
ミャンマーの軍事政権は19日、最大都市ヤンゴンにあるインセイン刑務所で爆弾が爆発し、少なくとも8人が死亡、18人が負傷したと発表した。
地元メディアによると、爆発した爆弾は少なくとも2つ。午前9時40分頃に爆発し、受刑者に物品を届けようとしていた市民5人と職員3人が死亡したという。
爆弾が持ち込まれた経緯は不明。当局は爆発現場近くで別の地雷を発見、解体したと報告している。
軍当局は声明で、「10歳の少女を含む訪問者5人と職員3人が死亡し、小包の中から不発弾も見つかった」と報告した。
また9歳の少年を含む訪問者13人と職員5人が市内の医療機関に搬送され手当てを受けていると明らかにした。
軍事政権はこの刑務所に数多くの政治犯を収監している。受刑者の家族は食料、衣類、医薬品などの物品を届けることを許可されている。
軍当局は「反政権派のゲリラが市民を攻撃した」と非難声明を発表した。
一部の地元メディアは情報筋の話を引用し、「ヤンゴンの革命部隊がインセイン刑務所に対する作戦を開始した」と報じているが、詳細は明らかにしていない。
反政権派の少数民族などが率いる民兵は地方に拠点を置き、軍と戦っている。一方、ヤンゴンを含む都市部では複数のレジスタンスが爆弾などを使って軍に攻撃を仕掛けているようだ。
ある反政権派メディアは、「治安部隊がインセイン刑務所で市民を虐殺し、レジスタンスに罪をなすりつけた」と報じている。
民間人が犠牲になった場合の責任追及はしばしば論議を呼ぶ。
多くの反政府勢力や民兵が独自に活動する一方、軍はこれらの組織の信用を落とすために「偽旗作戦」を行っていると疑われている。
ミャンマーでは昨年2月の政変以来、混乱が続いている。一部の国連当局者はミャンマーを内戦状態とみなしている。
人権団体「政治犯支援協会(AAPP)」によると、昨年2月以降の治安部隊による取り締まりで殺害された市民は2300人を超えたという。
都市部では小規模な銃撃戦や爆発、地方では武力衝突が毎日のように起こっている。都市部のレジスタンスは軍とつながりのある施設を主に狙っているようだ。
軍当局が19日に公表した写真には爆風で散乱した物品や被害者のものとみられる血痕が写っている。
AP通信はインセイン刑務所近くの住民の話を引用し、「2回爆発音がした後、少なくとも10発銃声が聞こえた」と報じている。