◎欧州最後の独裁者と呼ばれるルカシェンコ大統領は2020年の大統領選で大勝したと主張し、反対派を鉄の拳で弾圧してきた。
ベラルーシの裁判所は17日、反政権派の活動家であるアウツホビッチ(Mikalay Autukhovich)氏に禁固25年の有罪判決を言い渡した。
アウツホビッチ氏は「テロ計画」「大逆罪」「陰謀罪」で逮捕、起訴された。国営テレビなどによると、同氏と一緒に逮捕された活動家11人にも禁固2年半から20年の実刑が言い渡されたという。
アウツホビッチ氏は元軍人で、旧ソ連のアフガン侵攻にも従軍した。報道によると、同氏は独裁者のルカシェンコ(Alexander Lukashenko)大統領に対抗するため、反対派から資金を集めていたという。
欧州最後の独裁者と呼ばれるルカシェンコ氏は2020年の大統領選で大勝したと主張し、反対派を鉄の拳で弾圧してきた。
人権団体「ビアスナ人権センター」によると、治安部隊は大統領選の結果に抗議した市民3万5000人以上を逮捕し、数千人を残酷に殴打したという。
ベラルーシ保安当局はアウツホビッチ氏とその他大勢が2020年の抗議デモでパトカーに火をつけ、警察官を襲ったと告発している。
アウツホビッチ氏は容疑をすべて否認し、逮捕に抗議するため何度もハンガーストライキを行ったと伝えられている。
大統領選に立候補した反政権派のチハノフスカヤ(Svetlana Tikhanovskaya)氏は17日、アウツホビッチ氏がベラルーシの政治犯の中で最も厳しい判決を受けたと指摘し、判決を「恥ずべきもの」と糾弾した。
チハノフスカヤ氏はツイッターに、「独裁者がいなくなれば、すべての政治犯は自由になる」と投稿している。
ビアスナ人権センターによると、ベラルーシの刑務所には少なくとも1340人の政治犯が収監されているという。
一方、ベラルーシ国防省は16日、ウクライナ国境付近を含む同国内にロシア軍9000人弱を駐留させると発表した。
西側諸国はベラルーシがウクライナ侵攻に参戦する可能性があるとして、警戒を強めている。