◎領事館を含む在外公館は国際法(ウィーン条約)に基づく外交特権を有し、その敷地は不可侵であり、特命大使の同意無しに立ち入ることはできない。
More photos of the Manchester Chinese consulate assault by journalist Matthew Leung for “The Chaser” news media, who was at the scene. You can see more of “Bob”’s bruises in one of the photoshttps://t.co/JcfwgJd9x0 pic.twitter.com/Xm53731EMJ
— Kris Cheng (@krislc) October 16, 2022
イギリスのメディアは16日、北西部マンチェスターにある在英・中国領事館前で乱闘が発生し、デモ参加者が領事館の敷地内に引きずり込まれ、殴られたと報じた。
BBCニュースによると、領事館前でデモを行っていたのは香港の民主化を求める人々で、習近平(Xi Jinping)国家主席の3期目就任に抗議していたという。
複数のメディアが領事館から現れた男たち(警備員と思われる)・地元警察・デモ隊がもみ合いになる様子を撮影した。
BBCの取材に応じた抗議者の男性は、「敷地内に引きずり込まれ、殴られた」と語った。
領事館から現れた男は、「国家主席を侮辱する肖像画を掲げるな」とデモ隊を叱責した。
英外務省は16日、この騒動に関する緊急の説明を中国に求めると発表した。
BBCによると、マンチェスター警察も捜査を開始したという。
ボブと名乗った抗議者はBBCに、「中国本土の人たちが領事館から現れ、私たちのポスターを破壊した」と説明した。「彼らは私を中に引きずり込み、殴りました」
この男性は領事館を警備しているマンチェスター警察の職員に引きずり出された。
この事件を目撃した中国人ジャーナリストはSNSに、「領事館の職員は以前、デモ隊に通りの反対側に移動するよう求めていた」と投稿した。
BBCによると、地元警察はデモ隊と男たちの口論を仲介しようとしたが、失敗したという。
口論が始まってから数分後、警察官のひとりが領事館の敷地内に引きずり込まれた男性を敷地外に引っ張りだした。
領事館を含む在外公館は国際法(ウィーン条約)に基づく外交特権を有し、その敷地は不可侵であり、特命大使の同意無しに立ち入ることはできない。
領事館の敷地内で行われた犯罪はその国の法律に基づいて処理されるが、職員は外交特権を与えられている場合もある。
与党保守党のダンカン・スミス(Iain Duncan Smith)元党首はツイッターに、「政府は中国大使に全面的な謝罪を要求し、関与した者を中国に送り返すべきだ」と投稿した。
デモ隊は北京で共産党大会が始まるのに合わせて抗議していた。
まもなく3期目をスタートさせる習国家主席は16日、2時間に及んだ演説の中で香港の民主化運動に言及し、「香港の状況を混沌から安定に変えた」と主張した。
BBCは領事館の広報担当の声明を引用し、「デモ隊は正面玄関に国家主席の侮辱的な肖像画を掲げた」と報じている。「これは、どの国の外交・領事機関にとっても耐え難いことであり、容認できません。我々は強い憤りと断固とした反対でこの嘆かわしい行為を非難します」
また広報担当はマンチェスター警察が捜査に当たっていることを認識していると述べた。