◎現場は首都プノンペンの東に位置するカンダル州の小さな集落近く。
2022年10月14日/カンボジア、首都プノンペンの東にある集落、棺を運ぶ人々(Heng Sinith/AP通信)

カンボジア当局は14日、メコン川を渡っていたボートが転覆し、乗客少なくとも10人が死亡したと発表した。

現場は首都プノンペンの東に位置するカンダル州の小さな集落近く。ボートの乗客は全員学生だった。

地元警察によると、ボートは13日の夕方頃に転覆したという。学生2人と乗組員2人が救助されたが、1人の行方がまだ分かっていない。

カンダル州警察はフェイスブックに、「ボートは過積載で救命胴衣も使っていなかった」と投稿している。

犠牲者の身元は明らかにされていないが、地元メディアは12歳~14歳と報じている。

学生たちはメコン川の中にある島の住民で、雨期にはほぼ毎日ボートを使っているという。乾季になると徒歩で渡ることもできるそうだ。

カンダル州警察によると、事故はボートが岸に近づいたときに発生した。船首に水がかかったため、生徒たちは船の真ん中か船尾に移動するように指示されたという。

ところが、移動する途中でボートのバランスが崩れ、ひっくり返った。

地元メディアは生存者の生徒の話を引用し、「皆、パニック状態だった」と語った。この生徒はボートが転覆する直前に岸の方向に向かってジャンプし、自力で岸にたどり着いたと説明している。

王室はフェイスブックの声明で犠牲者に哀悼の意を表した。フン・セン(Hun Sen)首相も声明で哀悼の意を表し、当局に行方不明者の捜索を続けるよう命じた。

フン・セン氏は声明の中で、「雨期に川を渡る際は細心の注意を払ってほしい」と訴えた。

州警察によると、乗組員2人は医療機関で警察の監視下に置かれているという。一部の地元メディアは警察筋の話を引用し、「2人はまもなく逮捕される」と報じたが、どのような罪に問われるかは明らかにしなかった。

世界保健機関(WHO)が昨年公表したレポートによると、アジア太平洋地域で2019年に溺死した人は14万4000人以上。世界全体の61%を占めたという。

東南アジア地域の溺死者は推定7万人で、その33%が15歳未満だった。

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