◎エボラウイルスの感染力はインフルエンザやコロナウイルスに比べるとはるかに低い。
世界保健機関(WHO)は12日、ウガンダでエボラ出血熱の患者が急増していることを受け、エボラウイルス用ワクチンの臨床試験を数週間以内に開始すると発表した。
エボラウイルスはリスクグループ4に該当するウイルスのひとつで、治療開始が遅れると致死率は90%に達する。感染者の血液、臓器、体液に直接触れることで感染する。
ウガンダ政府は先月、中部地方で男性1人がエボラ出血熱で死亡したと発表。2019年以来の死者を報告した。当局によると、この男性のサンプルを検査した結果、スーダン株であることが確認された。
スーダン株がウガンダで確認されたのは4回目。スーダンでは3回流行している。
スーダン株の感染力はザイール(現在のコンゴ民主共和国)株に比べると弱く、死亡率も低いとされるが、ワクチンは開発されておらず、感染拡大を抑えにくいと懸念されている。
ウガンダの保健省によると、10月12日の時点でスーダン株への感染が確認された患者は54人、死者は19人。スーダン株で死亡したと「疑われる」人も数十人確認されている。
WHOのテドロス(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長はウガンダの首都カンパラで開催された会議にオンラインで参加し、スーダン株に対応するワクチンの開発が進んでいると報告した。
そのうち2つのワクチンはウガンダ政府の承認が出次第、今後数週間のうちにウガンダで臨床試験が行われる可能性があるという。
テドロス氏は「現在の流行を迅速に制御し、アフリカ諸国をエボラから守ることに焦点を当てている」と語った。
ウガンダの保健省によると、カンパラでも感染者が確認されたという。エボラの感染力はインフルエンザやコロナウイルスに比べるとはるかに低い。