◎咳止めシロップに含まれていた有害物質の詳細と、それがシロップに混入した経緯は明らかにされていない。
ガンビア、回収したメイデン社製の咳止めシロップをチェックする赤十字職員(Getty Images/AFP通信)

インドの保健当局は12日、ガンビアの児童少なくとも66人がインド製薬会社メイデン・ファーマシューティカルズの解熱・咳止めシロップを使用し死亡した問題を受け、同社に生産活動停止するよう命じた。

ガンビア政府によると、今年7月以降にメイデン社製品を使用した児童少なくとも66人が急性腎不全で死亡したという。

世界保健機関(WHO)は先々週、メイデン社製品4種類から有害物質が検出されたと報告。10月5日にはシロップが急性腎不全を引き起こした可能性があると警告した。

インドの規制当局はメイデン社が「定められた製造および試験規則を遵守していなかった」と報告している。

インドとガンビアで現在、調査が進められている。

規制当局は12日、メイデン社が多くの規則を守っていなかったことが判明したため、すべての生産活動を停止するよう命じたと発表した。

当局は声明の中で、「調査で明らかになった違反行為は深刻であり、同社が製造している医薬品のリスクを踏まえ、停止を命じた」と説明している。

咳止めシロップに含まれていた有害物質の詳細と、それがシロップに混入した経緯は明らかにされていない。

メイデン社は停止命令に関するコメントを発表していない。

同社は先週、ガンビアの報道にショックを受けていると声明を出し、調査を約束した。

インド当局によると、メイデン社製品は国内では販売されておらず、ガンビア以外の国には輸出されていないという。

しかし、WHOはこの製品が非公式の市場を通じてガンビア以外の国でも流通している可能性があると警告している。

インド当局は問題が確認された製品を公表している。
▽Promethazine Oral Solution(内服液)
▽Kofexmalin Baby Cough Syrup(咳止めシロップ)
▽Makoff Baby Cough Syrup(咳止めシロップ)
▽Magrip N Cold Syrup(風邪シロップ)

ガンビアの警察当局も政府の命を受け、亡くなった子供の死因などを改めて捜査している。

バロウ(Adama Barrow)大統領は先週の演説で、「政府はこの事件の真相を必ず究明する」と述べ、亡くなった子供に哀悼の意を表した。

ガンビアの警察当局は11日に公表した報告書の中で、「対象製品は米国に本拠を置く会社から輸入された」と報告している。

また報告書によると、国内に輸入された製品約5万本の大部分を回収したという。保健省は緊急の戸別訪問を実施し、▽メイデン社製品を持っていないか▽過去にメイデン社製品を使用したことがないかなどの聞き取りを行っている。

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