◎レソトは南アフリカのドラケンスバーグ山脈に囲まれた人口約210万人の内陸国である。
2022年5月27日/レソト王国、政党「繁栄のための革命」のマテカネ党首(Silence Charumbira/AP通信)

レソト新興政党「繁栄のための革命(Revolution for Prosperity、RP)」のマテカネ(Sam Matekan)党首は11日、3党連立政権を発足させると発表した。

RPは先週行われた議会選で120議席中56議席を獲得した。

レソトは南アフリカのドラケンスバーグ山脈に囲まれた人口約210万人の内陸国である。

実業家から政治家に転向したマテカネ氏は11日の記者会見で、2党と連立を組むと発表。連立与党の議席は65議席となった。

RPは今年3月に発足した新興政党だが、変化を求める若い有権者の支持を集めた。一方、与党「全バソト会議」は小選挙区で1議席も獲得できず惨敗。比例区で何とか8議席確保した。

マテカネ氏は記者会見で、「連立を組む2党は支出を削減し、生活に必要不可欠なサービスを向上させるという共通のビジョンを持っている」と語った。

マテカネ氏は政治経験ゼロだが、2つの政党の指導者は閣僚経験者である。民主主義のための同盟(Alliance for Democracy)の党首は2017年6月~2020年5月まで副首相を務めた。

もう1党の党首はまもなく退陣する全バソト会議主導の連立政権で開発相を務めていた。

マテカネ氏は連立政権の当面の課題について、「支出の抑制、経済の安定化、国民の団結」と説明した。

マテカネ氏は選挙期間中、風土病と呼ばれている貧困、高い失業率、犯罪からレソトを救うと繰り返し呼びかけていた。

AP通信によると、首都マセルにあるRP事務所の前には連立政権発足を祝う市民数百人が集まったという。

アナリストはマテカネ氏の新興政党が圧勝した理由について、「多くの有権者が現状にウンザリし、変革を求めている証拠」と説明している。

RP事務所の前でAP通信の取材に応じた男性は、「雇用対策を充実させてほしい」と語った。「前政権は会社の利益ばかり追求し、国民を失望させました。マテカネ首相は多くの雇用を生み出すと約束しています...」

別の男性は「マテカネ氏は有権者を失望させたら全バソト会議のように見捨てられると肝に銘じるべきだ」と述べた。

世界銀行によると、レソトの人口の約36%が国際貧困ライン以下での生活を余儀なくされている。GDPはこの10年、停滞している。

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