◎政府庁舎内で自爆テロが報告されたのは昨年8月の政変以来初。
アフガニスタン、首都カブール、タリバンの戦闘員(Getty-Images)

アフガニスタン政府は5日、首都カブールの政府省庁にあるモスクで自爆テロが発生し、少なくとも4人が死亡、25人が負傷したと発表した。

タリバンの関係者によると、テロは内務省のモスク内で5日の午後1時半頃(現地時間)に発生したという。当時モスクでは職員や市民が礼拝を行っていた。

内務省庁舎はカブール国際空港のすぐ近くにある。

犯行声明は出ていないと伝えられている。アフガンではこの数カ月、イスラム国(ISIS)系組織のひとつであるIS-K(イスラム国ホラサン)によるテロ攻撃が相次いでいる。

政府庁舎内で自爆テロが報告されたのは昨年8月の政変以来初。

IS-Kは少数民族ハザラ人やシーア派イスラム教徒だけでなく、タリバンの戦闘員も標的にする。

内務省の報道官は声明で、「テロリストはモスク内で自爆した」と説明した。負傷した25人の容体は明らかにされていないが、一部メディアは数人が重体と報じている。

負傷者を受け入れた市内の医療機関の責任者はAP通信の取材に対し、「午後2時頃に救急車が到着し、その多くが火傷を負っていた」と語った。責任者によると、ある負傷者は「男が起爆装置を起動させるところを見た」と証言したという。

カブールでは9月30日にも自爆テロが発生し、大学入試の試験会場にいた学生少なくとも52人が死亡。その多くが女子生徒だった。

国連は年初に公表したレポートの中で、「タリバン政権の最大の脅威はISISと旧アフガン政府の警備隊によるテロ攻撃」と指摘している。

このレポートによると、ISIS、アルカイダ系組織、その他の多くのテロ組織がアフガンに存在することが近隣諸国や国際社会の懸念を呼び、支援をためらわせているという。

IS-Kが関与したとされる2020年の産科病院襲撃事件はシーア派が多数派を占める地域で発生し、新生児を含む24人が殺害された。

タリバンが政権を奪取する数カ月前には学校が襲撃を受け、90人以上が死亡。そのほとんどが女子生徒だった。

2022年9月30日/アフガニスタン、首都カブール、大学入試の試験会場(Ebrahim Noroozi/AP通信)
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