◎ドイツ、フランス、イギリス、スウェーデンの在イラン大使館は、イラン当局から警告を受けたと報告している。
![](https://kagonma-info.com/wp-content/uploads/2022/10/2022年9月20日/イラン、首都テヘラン中心部、道徳警察の暴力に抗議するデモ(Getty-Images/AFP通信).jpg)
イランの国営メディアは30日、街頭抗議デモに関与したとされる欧州の市民9人が逮捕されたと報じた。
報道によると、イラン当局は「外国のスパイ」とみなされた人々を逮捕したという。
首都テヘランでクルド人女性のアミニ(Mahsa Amini)さんがヒジャブ(イスラム教の女性が着用するヴェール)を適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴り殺された事件は全国規模の抗議デモに発展し、各地で死者が報告されている。
アミニさんは今月13日、テヘランを訪問中にヒジャブを適切に着用しなかったという理由で道徳警察に殴られ、パトカーに頭を叩きつけられ、車内で暴行を受け、昏睡状態に陥り、3日後に死亡した。
国営イラン通信(IRNA)は9人がどこで逮捕されたかは明らかにしなかったが、外国に拠点を置くスパイ組織がデモに関与したとする事例を挙げた。
イラン情報省によると、拘束されたのはポーランド、スウェーデン、ドイツ、イタリア、フランス、オランダの市民だという。9人の身元は明らかにされていないが、一部メディアはジャーナリストが含まれると報じた。
ドイツ、フランス、イギリス、スウェーデンの在イラン大使館は、イラン当局から警告を受けたと報告している。
またイラン情報省は抗議デモの前と最中に欧州のメディアが「偽情報」を流布し、騒乱を煽ったと主張している。
道徳警察はアミニさんが拘置所で倒れ、死亡したと主張している。しかし、アミニさんの家族はこれを否定し、SNSにはアミニさんが暴行を受ける様子を記録した映像や写真が数えきれないほど拡散している。
イラン革命防衛隊(IRGC)は「外敵」が暴動を扇動したと主張し、イラク北部のクルド人自治区を複数回空爆、少なくとも13人を殺害した。
人権団体イラン・ヒューマン・ライツ(IHR)は30日、「子供を含むデモ参加者少なくとも83人が治安部隊の攻撃で殺害された」とツイートした。
南東部シスタンバルチスタン州では30日、治安部隊とデモ隊とみられる人々が衝突し、19人が死亡したと伝えられている。AFP通信によると、この死者の中にはIRGCの将校も含まれるという。
シスタンバルチスタン州の知事はIRNAのインタビューで、「19人が死亡、20人が負傷した」と報告した。
同州はアフガンやパキスタンと国境を接し、麻薬カルテル、少数民族バルチ族の反乱軍、スンニ派イスラム教の過激派による暴力が絶えない地域として知られている。
IRNAは30日、シスタンバルチスタン州の州都ザヘダンの警察署が武装勢力の襲撃を受け、治安部隊がこれに応戦したと報じた。
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