◎地元メディアはこのスキャンダルを米国のウォーターゲート事件をもじって、「ファームゲート事件」と呼んでいる。
南アフリカのラマポーザ(Cyril Ramaphosa)大統領は29日、盗難外貨400万ドルの存在を隠蔽したとされる疑惑を再び否定した。
ラマポーザ氏はこの数カ月、連邦議会とメディアの圧力にさらされている。
国民議会(下院)は29日、この疑惑を調査している委員会の報告書を引用し、ラマポーザ氏を問いただした。
地元メディアはこのスキャンダルを米国のウォーターゲート事件をもじって、「ファームゲート事件」と呼んでいる。
元国家安全保障局長官のフレイザー(Arthur Fraser)氏は今年6月、ヨハネスブルグの警察署に書簡を提出し、ラマポーザ氏の農場に400万ドル以上の盗難外貨が隠されていたと告発した。
フレイザー氏によると、この米ドルを盗んだ強盗は拘束されたものの、ラマポーザ氏から口止め料を受け取り、姿を消したという。
フレイザー氏は書簡の中で、「ラマポーザ氏は警察と税務当局に事件を届けず、隠蔽した」と述べている。
ラマポーザ氏は議長の質問に「とんでもない話だ」と反論した。「この疑惑はとんでもないデタラメであり、私は何度も何度も否定してます。私は犯罪者ではなく、犯罪を取り締まる警察官と一緒に働いている国家公務員です。あり得ません」
国民議会は今月14日にこの疑惑を調査する委員会を設置した。
報道によると、委員会は30日以内に調査の最終報告書を提出し、ラマポーザ氏の罷免を求めるかどうかを決めるという。
大統領を罷免するには、国民議会の3分の2以上の賛成が必要である。ラマポーザ氏の与党アフリカ民族会議(ANC)は過半数を保持している。