◎ブルガコフ氏は2008年から軍の兵站業務を担当し、シリアに展開したロシア軍の補給も統括していた。
ロシアのプーチン(Vladimir Putin)大統領は24日、ウクライナ侵攻の補給作戦を統括していたブルガコフ(Dmitry Bulgakov)国防次官を解任した。
国防省はテレグラムでこの人事を発表。後任にはウクライナ南部マリウポリの残忍な包囲作戦を指揮したミジンツェフ(Mikhail Mizintsev)大佐が就任する予定だ。
ブルガコフ氏は2008年から軍の兵站業務を担当し、シリアに展開したロシア軍の補給も統括していた。
西側の専門家はこの人事を「パロディ」と嘲笑し、プーチン氏を含む政府高官はウクライナ侵攻が停滞し、ウクライナ軍の猛反撃を受けている責任を補給の責任者になすりつけたと指摘した。
ロシア軍は西側の厳しい制裁で兵器をまともに補給できず、同じく厳しい制裁下に置かれているイランと北朝鮮に助けを求めた。しかし、イラン製ドローンには多くの技術的な問題があったと報告されている。
テレグラムで拡散した動画には、戦地に派遣されるロシア兵が「錆びたアサルトライフル」を装備している姿が映っていた。
ロシアの戦争推進派はブルガコフ氏の解任を歓迎し、「マリウポリの虐殺者」と呼ばれたミジンツェフ氏の就任を歓迎するだろう。
ミジンチェフ氏はシリアにおける化学兵器作戦を指揮したと告発されている。シリア北部アレッポはこの作戦で壊滅した。
一方、米CNNニュースは24日、政府関係者の話を引用し、「プーチン大統領は戦争の指揮を自ら取り始めたように見える」と報じた。
西側の専門家も同様の見解を示し、米シンクタンク戦争研究所は「プーチン大統領はウクライナで作戦を指揮する将軍に自ら命令を下し始めた」と指摘した。
英国防省も先月、プーチン氏がショイグ(Sergei Shoigu)国防相を通り越して戦地に命令を出し始めたという見方を示していた。同省によると、ロシア政府の国防当局はショイグ氏を「無能」と嘲笑したという。
ニューヨークタイムズ紙は24日、情報筋の話を引用し、「プーチン氏は南部ヘルソン州の指揮官が求めた撤退許可を拒否した」と報じた。
ヘルソン州ではロシア編入の是非を問う住民投票(9.23~27)が行われている。
タイムズは米情報筋の話として、「プーチン氏が撤退を拒否したため、ヘルソン州に駐留するロシア軍の士気は大幅に低下した」と伝えている。ウクライナ軍はヘルソン州につながるロシア軍の主要補給路を断ち切っている。