◎カーン氏は侮辱罪で起訴されたが、取り下げられる可能性が高い。
パキスタンのカーン(Imran Khan)前首相は22日、政治集会で警察署長と女性裁判官を脅した事件について、法廷で謝罪した。
地元メディアによると、カーン氏は侮辱罪で起訴されたが、取り下げられる可能性が高いという。
首都イスラマバードの裁判所は今週、カーン氏にかけられていたテロ容疑を取り下げた。
この騒動は先月、カーン氏の補佐官であるギル(Shahbaz Gill)氏が逮捕・起訴されたことで勃発した。
ギル氏は民放テレビ局のインタビューで反乱を扇動したとして逮捕された。反乱の扇動は反逆罪にあたり、有罪が確定すれば死刑に処される可能性がある。
カーン氏はギル氏が警察から拷問を受けたと主張したことに激怒し、政治集会で「イスラマバードの警察署長と女性判事がギル氏を虐待した」と支持者に呼びかけ、行動を起こすと示唆した。「覚悟しとけよ。俺たちもお前に対して行動を起こすからな!」
クリケットの元スター選手から政治家に転身したカーン氏はいくつかの事件で起訴されている。
カーン氏は22日、イスラマバードの裁判所で「裁判所が一線を越えたと判断するのでばあれば...謝罪する用意がある」と主張した。「今後このようなことは二度と起こさないと約束します」
裁判長はカーン氏の態度を評価する一方、「カーン氏は10月3日までに公式の謝罪文を提出する必要があり、我々はその文書を精査し、侮辱罪を取り下げるか否かを決定する」とした。
地元メディアによると、カーン氏の弁護士は「速やかに謝罪文を提出する」と述べたという。
裁判所の入り口付近にはカーン氏の支持者とみられる数十人が集まり、「あなたは悪くない」「私たちの首相」「永遠のカーン」などと叫んだ。報道によると、裁判所周辺には警察官数百人が配備されたという。
中露寄りのカーン氏は今年4月に不信任決議で追放されて以来、政府と司法を厳しく批判し、全国各地で政治集会を開催。シャリフ(Shehbaz Sharif)首相に解散総選挙で「勝負」するようしつこく呼びかけているが、シャリフ氏はこの要求を拒否している。
またカーン氏は米国が不信任決議に関与したと主張しているが、米国はこれを否定している。