◎クジラは社会性が高く、コミュニケーションを取りながら集団で移動するため、集団で座礁することが多々ある。
オーストラリア当局は21日、南部タスマニア州の西海岸に230頭以上のクジラが打ち上げられたと発表した。
州環境局によると、打ち上げられたクジラの半数以上がゴンドウクジラとみられ、まだ生きているという。政府の海洋保護チームとレスキュー隊が対応に当たっている。
クジラが座礁した原因は不明。この海岸では2年前にもヒレナガゴンドウ約470頭が打ち上げられている。
同州北部では20日にもマッコウクジラ14頭が打ち上げられ、政府のチームが調査に当たっている。この14頭は死んでいることが確認された。
オーストラリア放送協会(ABC)によると、専門家チームはクジラの救助を計画しているという。ABCは州環境局の声明を引用し、「救助作業は困難を極める」と報じている。
レスキュー隊はまだ息のあるクジラに布と海水をかけ、救助の準備を進めている。地元住民もバケツリレーに参加した。
州環境局によると、政府のチームは生存可能なクジラを沖に運ぶ予定。ABCの取材に応じた男性は、「救助隊は浅瀬までクジラを引っ張り、沖合に送り出す準備を進めている」と説明した。
クジラは社会性が高く、コミュニケーションを取りながら集団で移動するため、集団で座礁することが多々ある。
2020年9月には同じ海岸で500頭近くのゴンドウクジラが座礁し、大規模な救助活動が行われた。この時は400頭近くが死んだものの、約100頭を沖に逃がすことができた。
専門家によると、今回と前回の座礁は同じ月に発生しており、海水温の上昇が関係している可能性があるという。
「水温、環境の変化、エサの生息地の変化などにより、クジラが浅瀬に迷い込むことが増えている」と指摘する専門家もいる。
タスマニア島近海では多くのクジラが目撃されているが、この海域にクジラが集まる理由はハッキリしていない。
専門家によると、この海域は海洋生物が多く、クジラの数が増えるほど座礁のリスクも高まる。また、周辺の海流は複雑で、座礁のリスクを高めているという。