◎ヌゲマ大統領は君主制を除く国家の中で最も長く権力を保持している。その期間は43年を超え、世界記録を更新中である。
赤道ギニアのヌゲマ大統領(Getty-Images/AFP通信)

アフリカ中部、赤道ギニアのヌゲマ(Teodoro Obiang Nguema Mbasogo)大統領は20日、来年予定していた大統領選を5カ月前倒しし、今年11月20日に実施すると発表した。

国営テレビはヌゲマ氏が署名した法令を引用し、「大統領選、議会選、地方選は11月20日にまとめて実施することが決まった」と報じた。

ヌゲマ氏は君主制を除く国家の中で最も長く権力を保持している。その期間は43年を超え、世界記録を更新中である。

唯一の争点は下院100議席中99議席、上院70議席全てを保持するヌゲマ氏の政党の候補者争いである。

ヌゲマ氏の与党PDGEに反対する野党は立候補を許可されず、公の場でヌゲマ氏を批判すれば逮捕は免れない。

国営テレビはヌゲマ氏が再選を目指すかどうかには言及しなかった。一部の専門家は息子のマング(Teodoro Nguema Obiang Mangue)副大統領が後継者に指名されると予想している。

マング氏は副大統領と国防相を兼任し、父親の後継者とみられている。

赤道ギニアの国民、外交官、オブザーバーは、独裁者の息子が王座を受け継ぐか否かに注目している。しかし、この問題に詳しい専門家によると、息子は現在の豊かな生活に満足しており、父親が健在である限りは副大統領にとどまる可能性が高いという。

赤道ギニアの腐敗と汚職は世界トップレベルで、ヌゲマ氏は石油の輸出で得られる利益をほぼ独占している。

世界銀行のデータによると、同国の石油生産量はこの数十年で劇的に増加した一方、貧困率は人口の75%を超え、子供を含む数十万人が水と食料の確保に苦労しているという。

与党PDGEは一部の野党にパンくず程度の議席を与えると期待されているが、選挙の結果は最初から決まっていると言っても過言ではない。

しかし、10カ月前に行われたPDGEの党大会では、ヌゲマ派とマング派の間で前例のない論争が起こったと伝えられている。

専門家によると、大統領選の前倒しはロシアのウクライナ侵攻とコロナウイルスの大流行が引き起こした経済危機の中で「費用のかかる選挙を短期間で2度行うのは無駄」というPDGE議員の批判を受け、決まった可能性が高いという。

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