◎ロシアはドイツ向けガスパイプライン「ノルドストリーム1」を停止するなど、欧州へのガス供給を大幅に制限している。
2021年3月27日/フランス、パリのエッフェル塔(Pierre Suu/AFP通信/Getty Images)

パリ市は13日、ロシアのウクライナ侵攻に端を発するエネルギー危機に対処するため、エッフェル塔の点灯時間を短縮すると発表した。

イダルゴ(Anne Hidalgo)市長は記者会見で、「エッフェル塔の消灯時間を午後11時45分に早める」と述べた。通常は午前1時まで点灯している。

またイダルゴ氏は自治体の庁舎を含む市内の政府施設やモニュメントの照明も午後10時に消灯するとした。

街灯は市民の安全を確保するため維持される。

点灯時間の変更はロシア産天然ガスの供給不安が引き起こした欧州のエネルギー危機に対処する取り組みのひとつである。

政府は公共施設の暖房使用開始時期を1カ月延期し、営業時間中はエアコンの設定温度を18度とし、時間外や週末はさらに低くするなどの措置をとる。

マクロン(Emmanuel Macron)大統領は7月、節電目標を設定した。終了日は未定である。

EUのコペルニクス気候変動サービス(C3S)によると、欧州は今年、観測史上最も暑い夏を迎え、8月のエネルギー価格は前年同期の12倍に達したという。

ロシアはドイツ向けガスパイプライン「ノルドストリーム1」を停止するなど、欧州へのガス供給を大幅に制限している。

各国は液化天然ガス(LNG)の購入を急ぐと同時に、節電対策やガス火力発電所以外の設備をフル稼働させることで冬を乗り切りたいと考えているが、事態は悪化すると予想されている。

EUの執行機関である欧州委員会は先週、ピーク時の電力使用削減目標の義務化やロシア産天然ガスの価格上限設定など、危機に対処する新たな施策を打ち出した。

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